「幸福の色、希望の風 全ては君の手の中にある
だから どうか君よ、幸せに」
少年セイルは、空から落ちてきた少女と喋るナイフに出会う。
それはセイルの兄、『機巧の賢者』ノーグを探す旅の始まりだった。
空色少年と仲間たちが織り成す、大長編・異世界冒険ファンタジー。
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赤い夢を貫く、どこかで聞いた声。
物語はいつも、出会いから始まる。
君の手を繋いで、何処まで行けるだろう。
目が覚めれば空の上、赤い魚の腹の中。
求める存在は、遥かに遠い場所に立つ。
過去は時に、今を縛る鎖となる。
彼が求めるものは、まだ知らないままに。
たまにはこんな一日も、悪くない。
胸に抱いた思いは、一つの色を湛えて。
古都に待つのは新たな出会いと、僅かな兆し。
守るということ、戦うということ。
きっとそれが、全ての始まりだった。
下された決断、欠けた歯車が回りだす。
信じること、進むこと。立ち止まるにはまだ早い。
振り返るな、今はただ、前を見据えて駆け続けよう。
君の目に映る未来を、覆すために。
何もかも、失いたくなんてないから。
とある晩春の、特別な一日。
極彩色の道化師は、鈴を鳴らしてやってくる。
交錯する過去と未来。そして、今取るべき手は。
かくして、戦いの舞台は葬り去られた場所へ。
剣の過去。それは、赤い、赤い、夢の向こう。
機巧の城が秘めるのは、霞の先の記憶と。
それは何も語らない。ただ、そこに在るだけで。
空色少年は、たった一つの答えを知る。
そして、赤く。
XXX、XXXXX。
真夏の空の青、響くはカウベルの音。
三百年前、『ディスコード』はある少年の手に握られていた。
もう一人の「セイル」が出会った少女と影にまつわる物語。
ノーグ・カーティスが設立した航空部に所属する少年たちの四季。