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談話室の飛ばない探偵たち

about Arthur Pershing

 ――アーサー・パーシング?
 うん、アーサーは面白え奴だよな。親父さんが軍の偉いさんなのに、親の七光りだって思われるのが嫌だから、わざわざ霧航士になろうって思ったんだってさ。霧航士って生まれも育ちも金も関係なく、完全に能力だけで選抜されるからな、霧航士になれれば、そいつはアーサーの実力であって親父さんの威光じゃねーってのは誰にでも明らか、ってわけ。
 で、結局、霧航士としての才能も実力もあったんだけど、色々と運が悪くて、っつーか、アーサーって全体的に運がねーんだよな。霧航士になった後も貧乏くじ引かされまくってるし、女運もよくないし、この前なんてやっとこさ射止めたと思った女に金だけむしり取られて捨てられてたからな。流石に俺様もあれは同情して酒奢っちゃったもん……。
 って、俺、今まで何の話してたっけ? まあ、アーサーの話ならいいんだよな。
 あいつ、色んなこと知ってるし、耳が早いっつーか、最新の情報を捕まえてくんのが得意だから、話してて楽しいぜ。言うこと時々わけわかんねーんだけど、時々わけわかんねーのはオズも一緒だし、別に困ってはねーよ。頭の働くスピードと、頭の使い方が俺様とは根本的に違うんだろうな。高速演算、並列思考型だっけ? 何か、そういう分類らしいぜ。
 だから、乗ってる翅翼艇も、本体に加えて並列で三つの子機を操る『キング・リア』ってやつ。前に乗ってた第一世代のねーちゃんが蒸発しちまって、それでアーサーに正規霧航士の肩書と一緒にお鉢が回ってきた、ってわけ。あれ、かーっこいいんだよなー。でも、あんなすげー船操れるのに、いつもオズには喧嘩腰なんだよな。オズはそもそも翅翼艇に乗れないんだから、比較なんてできねーのに。その辺り、アーサーとしちゃ、やっぱり色々複雑な思いがあんだろな。俺様には、よくわかんねーけどさ。
 
(語り手 ゲイル・ウインドワード)

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